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藤やん還暦記念「どうで荘」新プラン開始&初月60円キャンペーン実施のお知らせ

どうで荘

楽しくやっていく所存です(D陣日誌:藤村)

(2024年11月5日)

藤村でございます。

日誌です。

キャラバンが終わってちょうど一カ月が経ちました。

その間に私は大阪のグランフロントで「こたつ会議」の司会をやり、文化庁からの案件で富山までYouTubeの撮影に行き、嬉野先生とともに帯広の青年会議所主催の講演会に出演し、すぐさま故郷の愛知県新城市の山中にある旧作手村で「フジロック」を開催し、再び大阪に戻りうめきた広場の北海道イベントに二日間出演して、いまようやく札幌に戻るところでございます。

それぞれ面白い出来事はいくつかあるんですけど、それはまたYouTubeの配信なんかでお話しをするとして。

キャラバンが終わって、昨年は「キャラバンロス」なんていう寂しい心情が各人に染みていたようですが、どうやら今年はそんな気分はほとんどなく、キャラバンが終わってからも相変わらず楽しくやっている様子がこちらのページに開設されている「どうで荘住民たちのLINEグループ」に数々投稿されております。(我々も投稿してますからぜひ参加してみてください)

例えば、大阪でのイベントのあと私が開催した「インバウンド向け時代劇ショー」の鑑賞会の様子や、同じ日には札幌で「ヒゲマラソン部」の合宿が行われていたようだし、顔見知りの何人かで一緒に高尾山に登ったなんて写真もアップされておりましたし、コンテンツ事業部の連中はonちゃん担いで道内を回っていたようだし。

異常に暑い夏も終わって、ようやく気持ちのいい天候となった中で、「この機を逃すか!」とばかりにみんなが行動的になっていらっしゃる。

この行動的で能動的な行動と心意気というのは、間違いなくここに集うみなさんの特徴的なところで、それこそが我々周辺のイベントを盛り上げている原動力であって。

てんでバラバラに楽しんでいるようで、それは大きな内輪で楽しんでいるからこその安心感みたいなものがみんなにあって。

そんな良好な集団心理が今年はさらに強まったような気がするんです。

「なんかもう、これからも楽しくやっていけそうだな」

という安心感が生まれたというか。

こんな集団は世界中にないですよ。

だから今後、どうなっていくのかわかりませんよ。やっぱりなんらかの争いが起こるかもしれない。藤村派と嬉野派による権力闘争が起こるかもしれない。

と、書いてみたところで、やはり争いのタネが今のところ見つからない。

ということで、今週も争うことなく楽しくやっていく所存です。

今週末10日は武蔵新城のスタジオからYouTube生配信の予定です。以上!

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楽しみしかない(D陣日誌:藤村)

(2024年7月14日)

藤村でございます

日誌ですね

先週で「ここキャン2024」が終わってしまいました。

立ち上げから3年で、これはもう、コンテンツ事業部のスタッフも参加者も、一番手ごたえのあるイベントに成長したのではないでしょうか。

10泊以上参加のここキャンマスターたちがスタッフ以上に積極的にこのイベントを維持することに熱意を傾けており、初参加の人たちもその熱意を感じるのでありましょう。

先週は、明らかに場違いなギャル風情の女子たちが参戦しておりましたが、口々に「ヤバい」「チョー楽しい」「来年は1人でも参加する」と、すっかりあの雰囲気に馴染んでしまっていたのでした。

とにかく人の輪が広がって楽しい。濃密なコミュニケーションがあちこちで展開されていて楽しい。

それは参加人数が少数であることが大きな要因でありますが、それゆえに参加のハードルが高く、開催が北海道に限られていることも相まって、まだ参加できない人の方が大多数ですから「そうは言われましても...」という感じではありましょう。けれども、いつかは思い切って参加してほしいなと強く願っております。損はさせませんから。

で、その翌日には嬉野先生とYouTubeスタッフとともに金沢へとおもむきました。

金沢大学の附属小〜高校を運営する教育機関が主催する勉強会で講演してきたんです。

学校というのは、生徒と先生だけの関係に終始して狭い世界になってしまいがちな環境に危惧を抱いたひとりの先生が立ち上げた勉強会です。

これもまた参加者のみなさんが熱心で、こういう場を今後も継続的に設けてほしいと強く願っているのを感じました。

勉強会を立ち上げた先生は、もちろんどうでしょう藩士。それをサポートするメンバーもどうでしょう藩士。

どうやら我々には、世間とは違うところで何かを立ち上げ、それを世間の動向とは関係なしに継続していく力があるようです。

さて、次はキャラバン。大人数の参加ですが、みな志は同じ。

もう楽しみしかありませんなぁ。

追伸。キャラバン公式グッズも盛り上がっていますが、バッタ屋グッズも今回はいろいろありますぜ!

 

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嬉野さん(D陣日誌:嬉野)

(2024年3月22日)
テスト・テストテスト
いや〜。う〜ん、白状するとインスタに書いた記事の転載ですね。
でもね、集英社「Kotoba」の宣伝も兼ねて、こっちにも転載して、本日の日誌とさせていただくことにしました。

えぇ、先日NHKの「SONGS」を見てましたら司会が玉置浩二さんでゲストが歌手の大泉洋さんということで😊にわかに笑っちゃいましたけどね。

たしかに大泉洋さんが司会しつつ自分の歌を紹介するのもなんですもんね。
とはいえ玉置浩二さんが司会といえども進行役は必要だったか、いつもはナレーションのシゲちゃんが登場して進行してくれてました。

その玉置浩二さんがスタジオで生ギターでアコースティックな「あの空に立つ塔のように」を披露してくれて、これがメッチャよかったですね。

玉置浩二さんは80年代に流しの兄ちゃんみたいによくテレビのスタジオでギター弾きながらタモリさんの前で井上陽水さんといきなり「夏の終わりのハーモニー」とか囁くように歌ってね、しみじみと良かったですもんね。

そんな玉置浩二さんが大泉洋さんに曲を作って、それを大泉洋さんは去年の紅白歌合戦にぶつけて異常な緊張感の中で歌手出場を果たす。

いやはや紅白歌合戦歌手出場にしても、武道館リサイタルにしても挑んで行きますねぇ。やっぱりあの方も全力の人なんですね。

その全力姿勢で武道館ではピアノの弾き語りまでやって、7回も入りでトチって、最後はもう、「大泉さんここ武道館ですよ」「今はお客で満員中ですよ」という現実までも「なかったこと」にしかのように、センターステージで、あの人、独りでピアノの自主練習に入りましたもんね。私、それ見て、思わず感激して笑っちゃった。

「素晴らしいなこの人は。なんもかんも、人生、乗っても反っても全部ショーにしちゃってんじゃん」と思ってね。

あの壮挙は、もはや場所柄を弁えるとか公私混同とかのレベルではない、人生の全てをいかなる時もエンタメにしながらあの人は生きとるということの証でしたよね。歩くエンタメ。
だから、彼の武道館リサイタルで私が目が覚めるようにおもしろかったのは、あのピアノのシーンでした。
乗っても反っても盛り上げる彼のあの対応力には武道館さえも祝福の鐘を鳴らしていたと私は今も思っているのです。
というわけでね(^^)今回の集英社の「Kotoba」に書いた私のエッセイは、その武道館リサイタルでも掛けられた動画。彼が「水曜どうでしょう班」にオーダーしてきた「幕間VTR」が、いったいどのような経緯で作られていったのか、ここでもまた私は驚きのあまり笑っちゃったわけで。その辺りの顛末をぜひお読みいただきたいので、買ってくださいね集英社の「Kotoba」。Amazonでポチッとすれば買えますよ〜〜。

ということです。
ポチッとね、してくださいね。

  

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シャープさんとヤンデル先生の相談室 〜ただまぁ、打つ手はないです〜 第7回


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シャープさんとヤンデル先生の相談室
〜ただまぁ、打つ手はないです〜

第7回

「公式」の先駆・シャープさんと、つぶやく病理医・ヤンデル先生が!

悩みを聞くだけ聞いて解決しない相談室を架空のアパート「どうで荘」で開設。
入居者からの「相談」に、各自の持ち場から答えていただきます。

毎月1度、どちらかお一人の回答を無料公開
もうお一人の回答や過去のアーカイブは「どうで荘」入居者向けに掲示します。

今月はシャープさんの回答を無料掲載いたします!

病理医ヤンデル先生の回答や、これまでのアーカイブは「どうで荘」の入居者限定ページにて公開しております!

また、お悩みの募集はどうで荘内で行なっています。入居者の方はドシドシお寄せください。

 

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☆今回のお悩み☆

会話をうまく続かせることができません。特に初対面の人ですが、仕事関係、プライベート、性別、年齢問わず、話題が次から次へと出るようになるといいなぁ、と思っています。

『水曜どうでしょう』やYouTube等での藤村さん・嬉野さんを見てると、どんな相手でも会話が途絶えることがなくてすごいなぁ~、と思います。 何かよいアドバイスはありませんか?

(PN:t-aoao@川崎)

 

 

どうで荘にご入居のみなさま、いかがお過ごしですか。@SHARP_JP の山本です。さて今回は、私もその答えが切実に知りたいお悩みです。私もなかなかどうして、口下手な人間です。特に初対面の相手となると、いっそう「会話を続けること」自体が目的化してしまい、焦ったり、よくわからないことを言ったりと、不審なムーブをとってしまいがち。人との会話が怖い、とまでは言いませんが、会話が負担となる場面は多々あります。なので、そもそも自分が知りたい回答を、はたして自分でひねり出すことができるのか、はなはだ難儀な気持ちになりながら、進めたいと思います。

 

いま私は前文で「進めたいと思います」と書きました。おそらく私はここから先、つらつらと話題を提示しつつ、途絶えることなく文章を書くことができます。できます、というと正確でないかもしれません。今この瞬間はまだできていないけれど、数瞬後にはできているという確信があります。少なくとも私は、書くことにおいては、相談者さんのようなお悩みを抱くことはありません。書くという行為に限って、私は「うまく続かせることができない」という心配を回避できています(もちろんそうやって書かれた文章がおもしろいかどうかはまた別の問題ですが)

 

なぜ私が書くことにおいて、うまく続けられないという不安から自由であるかといえば、それはもう場数の問題といえるでしょう。なぜか私は、書くことが大きなウェイトを占める仕事に就き、書いたものを発信するという職務を長らく続けています。自慢する気持ちはありませんが、結果として私は、一般的な人より膨大な量を書き、それを世に放ってきました。その経験が私から、書くこと(そしてそれが読まれること)への苦手意識を取り去ってくれたのだと思います。

 

と、ここまでつらつら書き進めました。続けましょう。

 

では私はなぜ、書き続けるのは平気なのに、おしゃべりを続ける行為に苦手意識を抱くのでしょうか。たぶんそこには、書くこととしゃべることの本質的な違いが横たわっているのではないか、と思っています。

 

少々乱暴に言いますが、おしゃべりが他者との会話であることに対して、書くことは自分との対話です。たとえ書かれたものが、最終的に読まれることで他者とコミュニケーションを図るものだとしても、書いている間は自分との対話によってしか、書くことを進めることができません。冒頭で私が「今この瞬間はまだできていないけど、数瞬後にはできているという確信」と述べたのは、私は私と一文ごとに対話して、次に自分がなにを言うのかを発見する連続こそが書くことではないか、と考えているからです。

 

私が私と対話すること。それが書くための動力です。翻って会話とは、他者を相手におしゃべりすることです。仕事での初対面なんか、名刺くらいしか寄る辺のない他者でしょう。対話の相手は、勝手知ったる私の中の私。会話の相手は、私の外にあるむき出しの他者。どうやら私の苦手意識には、そういう対話と会話のちがいに関係がありそうな気がしてきました。

 

私もそこそこ年をとりました。職歴も口下手歴もそこそこ長くなりました。おそらく私は「書ける口下手」という微妙なポジションで、ベテランになりつつあります。そしてベテランゆえに私は、対話と会話を分けるものに、おおよその見当がつくようになりました。対話と会話を分けるもの。それは「たわいのなさ」と「段取り」だと思うのです。

 

暑いね。暑いですね。どこ行くの。ちょっとそこまで。特に目的もなく、なんとなく交わされるやりとり。私たちの日常は、すべて「意味」が付随する行為だけでできているわけではありません。意味のない行為があるからこそ、私たちは息がつまることなく、リラックスして生きることができます。そしてそういう、特に意味を持たない「たわいのなさ」を交換する行為が、会話にも含まれています。終わりも道筋も見通すことなく、ダラダラと友だちと続けるおしゃべりが楽しいのは、おそらく「たわいのなさ」があって「段取り」がないからではないか、と私は思うわけです。

 

一方対話はそうはいきません。対話は文字通り、相手と面と向かって行われます。上司と部下が机を挟んで話し合うシーンが典型でしょう。そこでは報告あるいは説得、時には叱責が行われます。対話とは、なんらかの目的に向かって双方が話し合ったり、あるいはこの場の意味を両者で共有するためにおしゃべりが進められます。揉めている人同士が話し合うことを会話と呼ばないように、対話には「たわいのなさ」はなく、ひたすら目的に向かうための「段取り」だけがある、とも言えるのではないでしょうか。

 

そう考えて行くと、私が会話より対話の方に苦手意識を感じないことも、あながち無理もない気がしてきます。私はあくまで仕事や職務的な要請から、書くこと(書き続けること)を、自身との対話を通して追求してきました。仕事で書くのだから、目的があり、段取りが存在します。そうやって私は、とことん合目的化した人間になってしまった。そして会話にも段取りを持ち込もうとするようになった。会話に段取りを持ちこむような人間の話に、たわいもなさが存在するはずもありません。こうして会話が苦手な私ができあがった、そういう風に思えてきます。なんだか切なくなってきました。

 

さてここで私は、ひとつ恐ろしいことに気づきます。藤村さんと嬉野さんのことです。あの方たちはなにをやってきたか。よくよく思い返せばあの方々は、どうでしょうで、会話のおもしろさをわれわれに見せ続けたのではなかったか。遠慮のいらない男4人が繰り広げる会話には、たしかに「たわいのなさ」があふれ、「段取りのなさ」の魅力に満ちていました。そしてわれわれは、あの人たちの会話を聞く快楽を知ってしまった。だからあのおふたりに、そもそも会話で勝てるわけがないのです。ひとたびあの方たちがしゃべれば、私たちはただ、耳を傾けざるを得ないのです。ただまぁ、打つ手はないです。

(追伸)

「打つ手はないです」で終わるという縛りが設けられたコラムですから、追伸が禁じ手であることは重々承知の上で、今回はどうかご容赦を。実は今回の相談者さんに、うってつけの書籍があります。田中泰延さんの『会って、話すこと。』という本です。目から鱗とはちがいますが、読めばおそらく気持ちが楽になること請け合いですので、ご一読をおすすめします。

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毎月のお悩みへの回答はおひとりは全文公開。もうおひとりは「どうで荘」内のみでの掲載です。「どうで荘」は特に意味なく初月無料中

 

 

ヤンデル先生の今月のお悩みへの回答はどうで荘の入居者限定で公開中です!

【回答者プロフィール】

山本隆博
@SHARP_JPの運営者。どうでしょうをサラリーマン目線で見直すのが好きです。

病理医ヤンデル/市原真(43)
好きなどうでしょうはユーコンです。

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シャープさんとヤンデル先生の相談室 〜ただまぁ、打つ手はないです〜 第5回


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シャープさんとヤンデル先生の相談室

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☆今回のお悩み☆

物心ついた時からこうでした。
悩みというより、不思議に思っていることがあります。
幼稚園に行かず、小学校に上がるまで自宅でずっと過した自分ですが、誰に教えられるわけでもないのに腐っていました。腐っているという表現はもっともっと大きくなってから意味を知ったのですが
男女の普通のロマンスの数倍、男同志のロマンスに興味を惹かれてしまう体質です。誰からも教えられていないのに、変換する脳が備わっていて、しかもそれがあまり大っぴらにしてはいけないということを幼児にして知っていてこっそり、こうであったらばな、あれはこういうことであったのであろうなどと、自らの妄想の世界に一人でいるしかありませんでした。
そして、小さいころあんなに「どうしてこうなったのだ」と悩んでいたのに、長じてみると、こんなに同じことを考えている人が多くて、何でもないのだ。それもまた解せぬ。
どうしてこういう芽が種もなく生えてくるのでしょうか?なんの役に立つのでしょうか?男の人にもあるのでしょうか。

(PN:のりぞう)

 

どうで荘にご入居のみなさま、お元気ですか。@SHARP_JP の山本です。今年はさんざんやばいぞやばいぞと触れ回っていたせいか、夏に身構えるあまり、暑さにどうにか対処できている気がします。信じられないほど世の中が目まぐるし過ぎて、暑さへ注意が向いていないだけかもしれませんが。

 

さて、今回のお悩みです。お悩みというか、一種のカミングアウトと言えるのかもしれません。物心つく前から腐っていたという、相談者さんの告白です。

 

物心つく前から腐っていた。まるで意思を宿すことになったゾンビを描く、実験的なゾンビ映画がはじまりそうなモノローグに思えてきますが、そうではありません。腐るとはこの場合、有機物の腐敗を指すわけではありません。ニンゲンが腐るという意味ではゾンビと似ているのかもしれませんが、ここで腐るのは肉体ではなく、どちらかというとニンゲンの脳です。さいきん認知が進んだとはいえ、腐という文字を見て、意味の第一候補にBLが挙がる人はまだまだ少ないのではないでしょうか。BLのBに属し、Lを投影される男性ならなおさらかと思います。

 

しかし私は違いました。お悩みの文章に忽然と現れる「誰に教えられるわけでもないのに腐っていました」を一瞥してすぐ、これはBLの話だなと理解しました。申し遅れましたが、私はBL方面に話がはやい男性なのです。

 

なぜ私がBLに話がはやい一般男性かというと、自分がBLの素材としてきわめて親和性の高いマンガの主人公となり、BLを主とする出版社から書籍化されるという、そうとう粘度と難度の高い経験をしたからですが、長くなるので割愛します。気になる人は「シャープさんとタニタくん」で検索してみてください。いまでも書籍は買えると思います。

 

とにかく私がその時に理解したのは、BLとか腐女子と称する人たちが愛好し志向する目的とは、自身の性的嗜好を満たすのではなく、意識や認識のレイヤーを各人が増やそうとする行為にほかならない、というものでした。言い換えると、日常を取り巻く2つの事物の間にLOVEのフラグやサインをめざとく検知し、あらゆる事象に見えない物語を見出す力、とでも言えるでしょうか。つまり腐ったと自称される人とは、五感による世界の認識に腐という第六感を付加することで、物事の背景と奥行きを常人の何倍ものパワーで構築できる能力者なのです。

 

そして「腐」がそのような異能を指すのであれば、「誰からも教えられていないのに変換する脳が備わっていた」という相談者さんの述懐も、あながちないとも言えない気がしてきます。腐とはそもそも、人間が先天的に獲得する能力なのかもしれません。幼い子が石や木の枝といった、抽象性の高いモノでごっこ遊びに耽る様子を見ても、人間はそうとう早い段階から事物に物語を見出す能力が備わっているのではないかと、私は思います。

 

しかしここで同時に素朴な疑問も生じます。相談者さんはこうも続けるのです。「長じてみると、こんなに同じことを考えている人が多くて、何でもないのだ」ということがわかった、と。実は同じような能力者がこれほどまでにたくさん存在することを、大人になって知ったわけです。どれほど多いかというと、私が主人公となるマンガが出版社から書籍化され、それが書店で販売されるほど、です。つまり産業と呼べるレベルで、需要と供給や雇用の仕組みが社会にできあがり、文化と呼べる時間をかけ、歴史や作品が豊穣に積み上げられてきたわけです。

 

そう考えていくと、腐の能力を天与の才としてだけ語ることもまた、そうとう乱暴であると思うのです。腐は決して先天的なものだけではない。だれかから受け継がれ、育てられる能力という側面もあるはず。だから私はここで、ひとつの仮説を持つにいたります。

 

相談者さんのご親族、たとえばお母様が腐の者であった可能性はありませんか。物心がつく前から腐っていたとおっしゃる相談者さんは、物心がつく前から腐の指南を受けられていたのではないですか。私は相談者さんが腐の帝王学を修めた方ではないかとにらんでいます。折しも私は知っています。古の時代より腐を極めたベテランの方は、腐ェニックスと称されることを。もし可能であるなら、お母様と腐に関して、腹を割ってお話をされるとよいのではないでしょうか。ただまぁ、打つ手はありません。

 

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