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6月11日の日誌(嬉野)

 

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嬉野です。

今日は6月11日ですね。

4月9日に我が家を出発した女房は今年17歳になるうちのワン公を連れて未だにトゥクトゥク🛺に乗ってトロトロと地べたを走りながら旅を続けています。

1日の走行距離は、高齢犬の体力を考えて70kmくらいを目安にしてるようです。いつの頃からかキャンプ場で連泊するようになったのもワン公が喜ぶからです。

一歳のときから、女房と一緒に長旅を続けて来たワン公はよほど旅が性に合うのか。それともワン公というやつが、そもそも、いろんな匂いのする外という場所に身を置き続けることの方が本性のままにいられて嬉しいのか。

なんにしても、移動もドアの無い、外と溶け合いながら走るトゥクトゥクだから風に吹かれて老犬も満足なのかもしれません。

宿泊もキャンプ場でテント泊。風や雨をかろうじて防ぐ薄い布の中で、ほとんど外であるような、常に植物など生命体の匂いが漂ってくる環境に明け暮れ旅することで、嗅いだことのない匂いに好奇心を駆り立てられるのか、記憶の隅にある懐かしい匂いがしてきて興奮するのか。ワン公は匂いを求めてキャンプ場で1時間近くも歩き回る日もあるそうなのです。

そんな旅の途上の女房から、昨日の夜、電話がありました。

長野のキャンプ場にいるんだけど「知らない人たちと宴会が始まったの」というのです。酒呑みは酒が有れば楽しいんでしょうね。そこは人としてとても羨ましい限り。

「どんな人たちといるの?」と聞くと、いろいろ説明してくれるんですがよくわからない。まぁ説明してもよく分からない人たちと、でも、感じがイイ人たちだったから盛り上がったんでしょうね。

その中に「水曜どうでしょう」が大好きという男性が「いるのよ」ということで電話で彼と話をしました。
彼は、「もう、だいぶ長いこと見てます!」と前からの知り合いのように弾んだ声で楽しそうに話してくれました。
でも、9月に札幌でやる「祭」のことは知らず、「やるんだよ」と教えたら「知りませんでした」と驚いていました。そして、「札幌ですか〜」と実に残念そうでしたが、しばらく私と話をするうちに、「分かりました!行きます!いや、分からないけど頑張ります!休みを取れるように頑張ります!」と、思いがけず明るい道が見えたような溌剌とした声で私との会話を終えてくれました。

そういえば。
旅する女房と3週間前に九州で合流したときも、「水曜どうでしょう」が大好きという青年たちと福岡で会いました。青年といっても37歳くらい。

関門トンネルを抜けた頃、女房のトゥクトゥクのエンジンオイルもそろそろ交換という時期となり、でも、イラン戦争の影響でエンジンオイルが近ごろ品薄だとニュースでも世情を騒がせるので、女房は九州で暮らす知人から「ここへ行けばエンジンオイルがあるらしい」との情報を得て福岡にある自動車整備の個人店を訪ねて無事にエンジンオイルを交換してもらえたのですが、そのお店を経営していた彼が「水曜どうでしょう」が大好きな青年だったのです。

その青年が、私が女房と別れる前日に泊まった福岡の発心(ほっしん)公園キャンプ場まで、夕方、仲間4人でやって来てくれたのです、上等な馬刺しを持って。

エンジンオイルを交換してくれた彼が連れてきてくれたのは、焼き鳥屋さん。メダカ屋さん。そしてメダカ屋さんのお兄さんでした。
メダカ屋さんの話では、「この、うちの兄が20年くらい前に北海道から持って帰って来てくれました!」とのことでした。

福岡は、近ごろやっとNetflixが配信してくれるようになって番組ファンが増えつつある地域ですが、それまでは「水曜どうでしょう」の電波が長く届かなかった地域です。そんな中で、私が会った彼らは、「ぼくらは、Netflixとかの前から、ずっと見てました!」と熱っぽく言うのです。

なんとも感動でした。

これが30年ということなのでしょうか。思いがけない場所にもタネは飛翔して根づいていたことをこんなに時間が経ってから教えられるのです。しかも本人たちから。

長野のキャンプ場で女房と知り合った彼も、福岡でキャンプ場まで会いに来てくれた彼らも。
みんな「祭」に来てくれたらな、と思います。

ちなみに。
メダカ屋っておかしいでしょ?
おかしくないですか?
メダカ屋ですよ。
それで聞いたんです私。
「メダカ屋って、なによそれ?」
って。
そしたら彼は言うのです。
自分はメダカが大好きなメダカオタクなんですと。でも、本業はトラックドライバーだったんですと。ただ、近所のメダカ屋さんにアドバイザーとしてバイトで店先でお客さんと情報交換とかアドバイスとかしてたんです。
ところが。
そのメダカ屋さんがある日借金で飛んだんです。そしたらメダカだけがお店に残されたままだったんで。そのメダカを救うために、仕方なく本業を辞めて自分はメダカ屋になったんです。と言うのです。
なんと心優しい。
と、私は思いました。

気持ちのいい連中だったんです。
誰も彼もが。
ありがたい。
ほんと、ありがとう。

ということでね。
本日の日誌は感謝の中で終了です。
嬉野でした。

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