5月7日の日誌:嬉野(人間は偉大なり。駅弁、老舗の甘酢だんご弁当)
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嬉野の日誌
○○楼 甘酢だんご弁当
新幹線の窓際の席に腰掛け発車を待つ。走り出したのを確認してからテーブルを引き出し駅弁を置く。
ふたを開け弁当全体を見渡してみる。
まず、甘酢ダレの絡まった肉団子が3個。これがメインである。その隣にはシュウマイが2個。仕切り代わりに蒲鉾が一切れと玉子焼きがこれも一切れ並べられている。かたわらには、これはチャーシューかなと思いきや、サバの煮つけたのが一切れあって、その脇にシソ色に染まった蕪漬が添えられている。この弁当がすこぶる美味かったのである。しめて880円 也。
肉団子は思っていた以上に柔らかく、箸を入れると容易に崩れた。
まずこの肉団子で白米をいただく。
肉団子にからまった甘酢の濃いめの味が白米の水気とほどよく合わさって口の中で絶妙の味となる。
美味い。
もう一口肉団子をいただく。
こうして甘酢の濃いめの味に飽きてきたら隣のシュウマイへ行く。
シュウマイを噛みしめると豚肉の旨味の奥から程よく油が染み出て口の中に残る甘酢ダレの味とからまってさらに複雑な旨味となって至福である。
肉の弾力も程よく残し、しみでる肉汁の口当たりもほど好くうまく、そこへまたしても白米を頬張ると、これがまたすこぶる美味い。笑う。
肉団子とシュウマイで口の中が油っぽくなったと思えば蒲鉾へ箸を運びこれを囓る。するとこの蒲鉾がコリコリとして意外に上等な蒲鉾であることが分かり、ありがたさが増す。
口直しに紫蘇に漬け込んだ蕪漬を囓り、サッパリした口でまた甘酢の肉団子へ行く。この至福のローテーションを繰り返し平らげたあと最後の口直しに残しておいた玉子焼きを食う。
これもまた実にうまい。
田舎の駅弁当屋と舐めていたが、やはり老舗の味なのだろう、老舗は長い時間をかけて幾度も幾度も考え抜き、材料を常に吟味し、妥協をせず、この味に辿り着いたのだろうなと思うと感謝と敬意に頭が下がるばかりである。
冷めてから食べて美味いと思わせるのが駅弁なのだなぁと、改めて感動するのである。
人間は偉大なり。ご馳走さま。
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