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暑い。おはようございます嬉野です。いやもう暑い。

いえ、もちろん私の住んでるところは札幌ですから、40℃に迫る酷暑に毎日襲われて、もうずいぶん長いこと酷い目にあってる内地の皆さんの迷惑な感じとは、そもそも比較にならない規模の暑さなのでしょうが、しかしそれでも暑い。
それはあれなんです。我が家にクーラーがないからなんです。だって札幌ってふつうだったら夏でもクーラーいらないんですよ。だって窓を開けたら日中だって涼しい風が部屋の中を吹き抜けますから。夜なんか風が冷たすぎて寒いから窓を閉めるくらいだったんですよ。いつだったか8月なのにちっとも暑くらななくてね、日中なのにビアガーデンで冷えたビールが飲めないくらい寒くて、って夏が続いてた時期だってあったくらいですよ。
ところが今年はそんな気配が全くない。
窓を開けても風なんかまったく入ってこない。
夜も戸外はムワッと蒸し暑い。
なので、とうとう我が家も30年ほど前に買った扇風機を出しましたね。東京に住んでた頃に買った扇風機なんです。
いや、もちろん今、東京の夏に扇風機だけで対応してたら熱中症になってしまうんでしょうけど、30年前はまだ東京でもギリ扇風機でも行けたんですね。いや、それでもギリでしたね。
ですから。そうね、今の札幌のこの蒸し暑さは、むしろ、私が小学生のころに住んでいた九州の佐賀の夏の蒸し暑さに近いんだろうなという気がします。ま、そう思えば懐かしい気もしますしね。

「いやいや、今日は30℃にもなるというとるぞ!いやぁ、世の中、おかしくなったなぁ」

と私の父が嘆きながらそのまま畳の上にステテコ姿で倒れていた夏休みを思い出しますね。あれはもう50年以上も前の話です。
50年前の日本人は30℃の暑さで、すでにビビったわけですね。その先の未来を知らないというのは可愛いですね。
小学生の私はそういう父を見ながら既に畳に倒れてました。立ってると暑いから。そうして扇風機が送り出す風にひたすらすがりついていたのです。
それでもね。我が家はお寺だったので屋内は一般家庭よりは遥かに広かったはずですから風通しも良かったはずなんですが、それでも蒸し暑い夏には風が入らない。今の札幌と同じでした。
とはいえ、夜になると戸外は冷たい風が吹いていて涼しかったのです。
当時の佐賀は水田が何処までも広がる農業の町でしたから、その水田に張られた水が日中に暑い太陽光線の熱を吸収してくれていたんですね。あと、水田に水を流し入れる水路であるクリークとか小川とかが町中にたくさん流れていましたから、あれらの水流が昼間の熱を吸収して海へ持ち去ってくれていたんでしょうね。だから夜は涼しかった。しかし現代のようにアスファルトが昼間の熱を吸収すると夜にはその熱をそのままそこで放出しますからどうしたってそこの町は冷えないまま翌日また太陽光に熱されてと、ひたすら酷暑に繋がる連鎖を引き起こしてこの非常識な暑さになるんでしょう。
だから、50年前も、日本中、夏は暑かったけど、その暑さはまだ常識の範囲だった。だから、家族で冷えたスイカを食べて涼んだり、見た目に涼しげな浴衣を着たり、耳に清々しさをもたらす風鈴を鳴らしてみたり、夕方になると蚊取り線香を炊いたり、打ち上げ花火を見たりと、夏には夏の風情というものがありました。
でもねぇ、ここまで非常識に夏が熱くなると、風鈴の音にだってイラつきますよ。「うるせえな!チリンチリン!」みたいに思えてね。
だから、風情は終わりましたね。いまやサバイバルになりましたよね。
だから東京の建築現場で働くおじさんたちはもうonちゃんみたいなファンのついた上着を着てますもんね。たしかにアレならそこそこ熱を逃してくれますもんね。よく考えるよなぁ。
ちょっと感心します。たしかに情緒やら風情やらではもうやってられないんだけど、今の日本の夏は、あぁいう工夫ですよね。サバイバルなんだけど、まだ工夫でなんとか楽に乗り越えていこうとしてますもんね。まだ、なんとか楽しんでる風が見える。ということは、アレもまだ風情なのかもしれませんね。
あれのお陰で、太ってない働くおじさんも、見た目は太って見えますもんねonちゃん状態だから。onちゃんだって、他の着てるだけの着ぐるみさんよりは幾分は涼めているのかな。
そう考えるとHTBは時代の先取りをしてたんですかねぇ。

ということでね、「話は落ちたね」ということにしていただいて。引き続き、暑い夏をサバイバルしてまいりましょう。まだまだ札幌は扇風機でやっていけますからご心配なく。嬉野でした。

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(2023年7月31日 嬉野雅道)

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