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藤村でございます。

日曜日のラパルフェさんのイベント「水曜どうでしょう藩士にしか伝わらないモノマネ」はすごかったですね。

始まる前は「楽しみでしょうがない!」、始まったらもう「楽し過ぎる!」っていう雰囲気が会場全体に充満してるんですよ。いや充満してそこらへんにこぼれてましたね。もったいないぐらいに。

大好きなアーティストが目の前に登場してキャーキャー興奮する、とかっていうイベントとは明らかに違うんですね。

推しと言いますか、大好きな人が出てきて興奮するのは、基本的に個人単位の楽しみであって、それが集合することで会場全体が盛り上がっているように見えるってことなんですよね。

いつもはひとりで「キャー!」って言っているけれども、それよりは多数で「キャーキャー」騒いだ方が、自分の声や動きもより大きくなって、楽しめるっていうね。

あくまでも個人単位の楽しみが主であって、周りも勝手にそれぞれが楽しんでいればイイじゃん、ということですよね。

でも、このイベントは全く違う。

客の「団結感」が強いんですね。

そもそもラパルフェさんに興奮してるわけではなくて、彼らがこれから繰り出すであろうネタに異常なほどの期待感がある。

「ね、どういうことになるかよくわかりませんけれども、とにかく楽しいのは間違いないですよね!」
「ええ!それはもう楽しいと思いますよ」
「いやもう!楽しみでしかないですな」
「いやまったくですな!」

というようなね、具体的なことはまったくわからないけれども、とにかく楽しいに違いないという確信だけがある人たちが大集合して、一致団結して、まだなんも始まってないのに「楽しみですなぁ!」という高揚感だけを共有しているような、そんな感じです。

そして前のめりですわな、当然。

たぶんアレほぼ全員、椅子から腰が少し浮いてましたよね。もう高揚しちゃって爆笑することを前提としたクラウチングスタートの体勢ですよね。「私はすぐに笑えますよ!」「もちろん!私もです」っていう前傾姿勢で腰がちょっと浮いてる状態。

お客さんが横一線に並んで、つながっていってるんですよね、気持ちが。個人の楽しみ、ではなく、軍団で楽しむ、という感じです。

そして、演者と客の立ち位置が対等なんですよ、このイベントは。演芸会とかコンサートと大きく異なる。

どうでしょうが好き、という根本的な部分でまず対等じゃないですか。さらに、どれだけラパルフェが細か過ぎるモノマネをやっても、「オレたちはちゃんと理解するぜ!」「私たちが理解して心から笑わないとモノマネが成立しないんだ!」という、このイベント自体を支える気概ですよね。それが満ち満ちている。

5ブロックに分かれたモノマネの演目を終えた時のあの拍手。あんな硬質な拍手音は聞いたことないですよ。全員、手がビリビリするぐらい叩かないと、あの金属音に近い硬い音は出ないですもん。

平井駅の近辺でラパルフェさんたちと打ち上げを終えて、私はそのまま、近くで飲んでたあのLINEに写真がアップされてた連中と合流して、また飲みましてね。最後の方はほとんどおぼえてないんですけど、次は是非「フィヨルドの恋人」のカッコいいミスターさんを見てみたい、なんて言って盛り上がっていましたよ。

楽しかったんですね。ホントに。

 

(2023年6月21日 藤村忠寿)
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