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【お願い】藤村Dへの「お手紙」を募集しています

藤村の日誌でございます

ヤンデル先生とシャープさんのお悩み相談は、毎回、ホントに楽しみにしているんですが、今回のヤンデル先生には特に楽しませてもらいましたね。

昨今のフォーマルな場ではついぞ見なくなった罵詈雑言が誌面に満ち溢れていて、「あーほんとにキライなんだなぁー」と感心しましたもん。

そういう冷静さを失ったところを、しっかりと自覚していながらも、いいかぁーおまえらよく聞けぇー!と、抑えきれない自分を存分にさらけ出して、最終的には、よーし言ってやったぞぉー!と、あとのことは知らん!と、堂々と退場していく後ろ姿が見えましたもん。

あー彼、気持ちよく出て行ったなと、こちらとしても拍手喝采で送り出すようなね、そんな和やかな雰囲気をちゃんと会場に残していくような、そんな荒ぶった筆致でしたね。

きっとこういう人が飲み仲間にいると盛り上がるだろうなと、そんなことを思いました。

さて、キャラバンでお馴染みのバッタ屋を運営している今井さんから、こんなのやるんですけど参加しませんか?というお誘いを受けました。

これ、リンゴの形をしたキャラクターの真っ白なフィギュアに好きなように色付けしたりして、まぁオリジナルの作品に仕上げて出品するという、そういう作品展みたいなものなんですね。

イラストレーターさんとか、いろんな方が参加していて、なにやらウチの野口グッズ店長も出品するということで、こうなるとですね、多少はこちらも負けていられないと、店長はグッズのデザインを生業としているプロですけど、あいつよりかは見栄えのいい作品を作り出したいと、そういう小学生並みの競争意識もありましてですね、このところずっと頭を悩ませていたわけです。

で、つい先日、店長と赤平のどうでしょうハウスの改修に行ったんですけど、その道中、いきなり店長がこう切り出してきましてね。

「藤村さん、あの今井さんから頼まれたやつ、もう作りました?」と。

「いや、まだやってない」と答えると

「あーおれもう作ったんですよおー」と、

まさに小学生が「おれもう宿題やっちゃったもんねぇー」というような感じで話を振ってきたわけですよ。

「あーもうやったんだ、すごいねぇ」と、こちらが大人な返答をすると

「いやーそうなんですよぉー」と、小学生と同じ返答を返しましてね。

「気になります?」

などと、中学生程度のフリをかましてくるもんですから、こちらは大人として

「それは気になるねぇーどんなの作ったの?」

と、紳士に答えましたら

「やっぱり気になりますぅー?」

などと、彼女の写真を見せたがる高校生のように言うもんですから、こちらは大人として

「まぁ、気になるねぇー」

と、冷静に返したところ

「見たいですか?」

と、相変わらず高校生のように返すもんですから

「別に」

と、自分には彼女がいない野暮な高校生の返答のような強がりを見せることはせずに、大人として

「おー見たいね」

と、答えたところ

「しょうがないなぁーそこまで言うんなら見せちゃおうかな!」

と、嬉しそうに言うもんですから、これはさすがに

「いいよ別に」

と、言いたかったんですけど、正直、気になっていたものですから、ここはグッと言葉を飲んで

「おー写真あんの?」

と、答えましてね。

そしたら運転中にもかかわらず、ガサゴソとポケットからスマホを取り出しまして、チラチラとスマホに目をやりながら写真を探しておりまして。

よっぽど見せたかったんでしょうけど

「んなことやってると事故起こすぞ」

と、思ってたら、実際にそのあと社車の後部を水銀灯にぶつけて窓を全壊するという自損事故を起こすわけですが、その仔細については前回の日誌を参照いただくとして

「これなんですよぉーいいでしょー」

と、見せてくれたフィギュアの写真は、確かに良い出来でね。

「これ、どうやって作ったの?」

と、聞けば、そっからの話はまどろっこしいぐらいに長くて

「いやぁー苦労したんですよぉーコレ」

などと、彼女との出会いから聞かされるぐらいのね、こっちとしては、んなのはいいから!ヤったのかどうか聞いてんだよこっちは!っていう感じの忍耐の時間だったんですけど、簡単に言えば、マスキングテープをちまちまとフィギュア全体に貼り付けた作品だということで。

「おーなるほど、色付けとかするんじゃなくて、貼ったわけね」

「そーなんですよぉー」

と、その発想にご満悦の様子で。

うん、確かにおれはどんな絵を描こうかと、どんな色に塗ろうかと、そう考えていたけど、貼り付けるって発想はなかったなと、少し感心していると

「あーもう、真似しちゃダメですからねぇー」

と、また小学生に戻って挑発してくるもんですから、それにはキチッと

「しねぇよ」

と、そう言ったのでした。

だってねぇ、確かに綺麗に隅々までマスキングテープを貼り付けてカッコよく仕上げているけどさぁー、所詮はそれ、市販のマスキングテープだろ?絵を描いたのは違う人で、おめぇはそれをはっつけただけじゃねぇかと、口に出そうでしたけれども、それは大人として

「でも、いいアイデアだな、それは」

と、話を締めたのでした。

さて、それから数日、いよいよ締め切りは4月23日ということで、私もついに作品制作に取り掛かったのでした。

この話を受けた時から、すでに作品のモチーフは決めておりましてね。

大好きな「金魚」。

それを手持ちの画材で描く。

もうずいぶん前にカブのイラストを描いてTシャツにしたりとか、DVDの特典で絵葉書を描いたりとか、やっていたときに買った絵手紙セットの水彩絵の具がまだあったんで、それを引っ張り出してきて、あとは、これまた何年も前に奥さんから誕生日プレゼントでもらった「きんぎょ」というタイトルの、金魚の写真やら古い浮世絵やらが収蔵されている本を見本にして、まずはコピー用紙にイメージを描いてみたんですね。

こんな感じに。

それを白いフィギュアに落とし込んで描いてみたと。

なかなか渋い感じになったんで、もう一つ、今度は色付けしたものをヤスリで削って、古代壁画のような雰囲気に加工して、その上に文字を重ねてみたところ、これもまたいい感じに仕上がって、私は2体出品することにしました。

ということで、29日からこの作品展が開催されて、オークションで販売されるということで、なんとか店長より高い値が付くことを切に願っております!

詳細はステイメロウラボ

(2023年4月23日 藤村忠寿)

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