嬉野です。日誌です。
私はねぁ、みなさん、すこぶる驚いでいるのですよ。
また、ここから長々しく書きますけどね。
あ、いえ、驚いていると言ってもモルックで今治へ出かけてる「チームHTB」の話ではないですよ。もちろん昨日は、あの人たちの目を見張るような快進撃に驚きましたがね。
私が今、ここで書こうとしているびっくりは、近頃の通販って、便利過ぎてびっくりってことなんです。
まぁ、みなさんには、そんなことは当たり前のことなんでしょうけど、私は通販で気軽に物を買ったりしなかったんで、今更びっくりしてるんですよ。
先月のことですよ。出張先のどっかのホテルにうっかり髭剃りの充電コードを置き忘れてきたことに札幌に戻ってから気づきましてね。
それも気づいたのは帰宅してから幾日か経って髭剃りの充電がゼロになっちゃったときなんです。
そしたらそれが、明日から東京へ出張というタイミングでもあったんです。
髭剃りはあるのに使えない。
実にじれったいことになってて。
でも、実際、髭剃り使えないと困るなぁと思いましたから、仕方ない、札幌のヨドバシで買って来るかと慌てて出かけましたら、ヨドバシの人に「取り寄せになりますね」と言われ、「まじ?明日から出張なのに」と思い、ならばと、ビックカメラへ走ったところ、「取り寄せになりますね」と、ここでも言われ。「いや〜明日からなんだよ東京出張。実に困った」と、いきなり追い詰められ、スマホでAmazonにアクセスしましたら目当ての充電コードは勿論ありまして。
「でもなぁ、これから家に送ってもらっても明日の朝出発だから間に合わんなぁ」と一旦は思いつつも、
「あ、そーか。明日から宿泊する東京のホテルに直に届けて貰えばいいのか」と、思いつき、調べたところ今すぐ注文すれば明日にはホテルに届くって書いてあるんですよ。
わたしゃびっくりしましたよ。なんちゅう便利なことでしょうか。
そして本当に翌日私が東京のホテルにチェックインするときにはもう届いてました。ですから時間的なロスはゼロですよ。いやはや、あまりにも事が上手く運びすぎてキツネにばかされてるような思いでしたよ。
こんなに通販が便利じゃ、実際の店舗なんか今に無くなっちゃうんじゃないの?と、妙な心配をしましたよ。
要らぬ心配なんでしょうかねぇ?
でも、実店舗が無くなってしまったころに、今度は人手不足で流通インフラが停滞して、通販で購入するときは「1ヶ月待ちが常識です」みたいなことにでもなっちゃってたら、そらもう悲劇ですよね。
ただまぁ、そんな悲劇は今年1年くらいはきっと大丈夫でしょうからと、私は「もののけ姫」のBlu-rayと「もののけ姫はこうして作られた」というメイキングのDVDをAmazonで購入しましたら昨日届きまして。
ここからは、通販が便利過ぎてびっくりの話ではなく、「もののけ姫」の話になるんですけどね。
「もののけ姫」の公開は1997年の夏でしたから、「水曜どうでしょう」が始まってやっと1年が経とうかという頃で。「もののけ姫」は、社会現象とも言われるほどの恐るべき大ヒットでしたからねぇ、とにかく日本中どこの映画館も満員で見られない。私も札幌の劇場へ勇んで出かけて見ましたよね。
でもね(^^)見終わったとき、なんか、私、ポカンだっんです。
「なに?なんなの?この映画」って、思ったんですね。ちっとも、おもしろいと思えなかったの。
ところが数年前にテレビかなんかで見たらね、無茶苦茶おもしろくて感動しちゃったんですね。
どーして?
どーして同じ作品を見てるのにこうまで違った受け取りになるのさと思いましたが。
これはですね、ぜったいにタイトルのせいなんですよ。
つまり、1997年公開当時、私は「もののけ姫」を、もののけ姫のお話なんだと思いこんで見たんですよ。映画館で。
だって「もののけ姫」ってタイトルなんですからねぇ。
でも、あれってアシタカのお話なんですよね。どう見たってあの映画の主人公はアシタカなんですよ。宮崎駿さんも「アシタカせっ記」というタイトルに本当はしたかったんだと、後年発言されてたのをなんかの記事で読みましたもん。「なんだ、アシタカの話だったんだ」と私そのときやっと想いを新たにしたんです。
でも公開当時は、私は、「もののけ姫」の話なんだって思いこんでてね、自分の中ですっかりイメージを膨らませて映画を見始めましたから、「さぁ、いつだ。いつ、もののけ姫の話が始まるんだ」と、もののけ姫の登場と、もののけ姫のストーリーが始まる瞬間をずっと心待ちにして映画を見続けていたんですよ。
そしたら、ちっとも始まらないでしょ? そりゃそーですよね。だってアシタカの話だったんですから。
アシタカの話なら映画の冒頭からもうスタートしてるんですよ。なのに私は「もののけ姫」というタイトルに縛られて、迂闊にもアシタカの話にひとっつも集中できてなかったんですね。
おまけに、話が、アシタカの話なんで、もののけ姫が登場したところで、もののけ姫の話は展開しないわけですよ。
つまり、もののけ姫が、もののけ姫になるまでのストーリーなんか、ないわけです。
もののけ姫はもう、もののけ姫になっちゃってる。そして、エボシともう戦ってる。私が、今や遅しと待ち焦がれていたもののけ姫のエピソードが、もののけ姫が登場しても始まらないから私は、ますます混乱するわけです、「いつだ、いつ語り始める気だ」と。
だもんで私は、ずっと映画に乗り損ねたままで映画館の暗がりに座ってて、スクリーンを見つめてた、でも、私が待ってたストーリーは語られることなく映画は抜群のスピード感をもってズンズン盛り上がっていくんです。でも、私は乗り損ねてますから、未だに別のホームで「おかしいなぁ?いつ電車くるの?」みたいに思ってた、てなことだったんでしょうね。
全部タイトルのせいなんですよ。
タイトルのせいで、私は、アシタカの話に乗り損ねて、ずっともののけ姫の物語が始まることだけをひたすら待って、結局、始まらないから最後まで待っちゃって。そのままでラストを迎えてしまって、もう、わけわからなくなって、最後ポカンだったんですね。
私そういうこと多々あるんですね。
先入観のせいで演劇でも映画でも、本題の電車の発車するホームと違うホームで電車を待ってて、そのせいで電車に乗り損ねて、来るはずのない電車を最後まで待ち続けるもんだから、「電車来ないなぁ」のまま、ラストを迎えてしまうから、1人で、ただ、「ポカンとする」ってことなんです。
でも、今は違います。今やもうあの映画はアシタカの話だってことは分かってますから感動と共に見ることができる。
だから人間って、そうやって先入観が邪魔をするってことあるんです。
気をつけないと!
「他人の話に耳を貸さないで、人間は、結局、自分の見たいものしか見ようとしない」ってよく言われますけど、その生理ってのは、きっと、この辺りの先入観から発生していることのように思えますね。だから、他人の話が耳に入らないときは、きっと、聞いてるその人はタイトルを間違えてるんだと思いますよ。
さて、「もののけ姫」のBlu-rayを見ましたが、今や私はもう冒頭から感動でした。
映像の美しさは全編に渡って感動的でしたし、躍動的でした。6時間にも及ぼうというメイキングも見ましたから、「もののけ姫」のあらゆるところに発見があって感動でした。
あんなに熱量の込められた素晴らしい作品を、数千円出せば、自分の家で、見たいときに見ることができるなんて、私が若者だった頃には考えられないことでしたから、本当に素晴らしいです。
そして、映画であんな素晴らしい体験を私にさせてくれたそのキッカケを生みだしてくれた宮崎駿さんには感謝しきりです。
このまま、人間の世界は🌏いつか現実的に滅亡するのかもしれませんが、それでもね、悔しいけどぼくらの想いが届かなくたって、いや、もちろん届かないなんて悔しいけど、でも、それだって手を伸ばそうとする未来は、あるんだって思わせてくれる作品を持っていることは生きる上で物凄い強みですよね。
そして私たちは「もののけ姫」を母国語で堪能できるんですからね。それはもう素晴らしく幸福で幸運なことだと思います。
みなさんも、久々にご覧になってくださいな。あれから30年、あの作品のテーマはちっとも色褪せていませんでした。そのことも感動でした。
藤村さんも決勝には進めなかったようでしたが、楽しそうで何よりでした。それに今回の成績は、来るべき8月の函館戦へ向けて、実に盛り上がる布石になりましたからね。
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